聞きなれない言葉ですが、当社の製品は、その静電容量を測定するために製作されています。
静電容量の測定に必要な機器は、金属製の電極(センサー)と電極で得られた静電容量を電気信号に変換する変換器です。
電極は使用目的に応じて「形状・構造・材質」が異なり、製作や設置、調整など全てが経験と実績に大きく依存するものす。
一方の変換器も、電極の場合と同様、あるいはそれ以上に高度なノウハウが要求されます。
それでは、静電容量及び誘電率について簡単に説明させていただきます。
一方を接地端、他方を検出端として空間に配置された二つの導体(コンデンサ)が、電荷(帯電した物質の持っている電気)を貯えることのできる能力量を表すもので、水に例えれば、ある水位(電圧∨)において、どれだけの水量(電荷Q)が貯えられるかという、貯蔵容量のようなものです。
空間に配置された二つの導体の間には必ず電荷が発生し、その静電容量は導体間の距離やその形状、および空間の性質に左右されます。
物質の体積を1/2にすれば静電容量も1/2になり、体積を2倍にすれば静電容量も2倍になります。
導体の形状が単純な場合については静電容量を求める式が公式化されています。
図のような2枚の金属平行平板の場合、静電容量はで表されます。
実際には右図のような理想的な形状でない場合がほとんどなので、静電容量を計算で求めることは困難で、静電容量を求めるには静電容量測定器を用いることになります。
2枚の金属板の間に絶縁体を入れると、静電容量は必ず増加します。
もとの静電容量をCo、増加後の静電容量をC、とした時、CとCoの比(C/Co)をその物質の比誘電率(εs)といい、これは物質固有のものです。したがって、この比誘電率、すなわち静電容量を測定することにより物質の状態を推測することが可能となります。
誘電率に関する物理的現象を簡単に説明しますと、物質は多数の原子からできています。
導体と絶縁体の電気的作用の相違は、自由電子(金属内を自由に移動できる電子)の存在の違いによるものです。
絶縁体には自由電子が存在しないために電気を流すことができませんが、この絶縁体を電界内に置くと、電子分極という現象が発生し、この現象が表面的には静電容量の変化となって表れます。
また分極の強弱は比誘電率の差となります。
主な物質の誘電率は、比誘電率表にまとめていますので参照ください。
真空の誘電率(εo)は、Sl単位系において他の単位との整合を図るためのもので、真空の透磁率をμo、真空の誘電率をεo、光速をCとすると、それらの間はεoμo=1/C² という関係があります。
真空の透磁率をμo=4π×10-7 H/mと決め、εo=1/μoC²=8.854×10-12 F/mと決めています。
真空の誘電率εo、比誘電率εs、誘電率εの間にはε=εoεsという関係があります。
εとεsが混同されて使用されることがありますが、ほとんどの場合、問題はありません。